ポー・カレン語
加藤昌彦
動画1 カレン州記念日ドン・ダンス・コンテスト
ドン・ダンスというのはカレン人の民族舞踊である。
もともとはミャンマー連邦カレン州周辺に住む東部ポー・カレンの人々が受け継いできた伝統芸能だが、最近では、カレン人の文化的象徴と見なされることが多くなり、スゴー・カレン人やエヤワディ・デルタ地域に住む西部ポー・カレン人も踊るようになった。
この動画は、2018年11月に調査でカレン州パアン市を訪れたときに、カレン州記念日を祝って開かれたドン・ダンス・コンテストを撮影したものである。
この時は14グループの参加があった。
解説テロップを付けているので、ゆっくりご覧いただきたい。
動画2 東部ポー・カレン語の歌
ミャンマー連邦カレン州に住むポー・カレン人には仏教徒が多い。
しかし、一部の人々は1860年代に創始された、一種の千年王国思想であるタラコン(Telakhon)と呼ばれる宗教を信仰している。
州都パアンの近郊にもこの宗教を実践する人々の村があり、カレンの伝統を守りながら、電気のない生活を営んでいる。
この動画は、タラコン信者の男性が東部ポー・カレン語の歌を歌ってくれたときのものである。
伴奏にはカレン民族の伝統楽器である竪琴を使っている。
電気がないため暗い動画になってしまっているが、そういった部分も含む雰囲気をお楽しみいただきたい。
なお、千年王国的思想に基づくカレン人の宗教として、他にもレーケー教(Leke)がある。
レーケー教には、19世紀中葉に作成されたニワトリの足跡様の独自の文字がある。
動画3 東部ポー・カレン語の自由会話1
ミャンマー連邦カレン州パアン市郊外のピャーロン村で撮った自由会話の動画。
日本語字幕を付けてある。動画の中に、音楽を大音量で流しながら走り去る自動車の音が入っている。
これは本文で触れたトゥーウェー・パゴダに向かう自動車で、これから結婚する男女を乗せている。
音声1 東部ポー・カレン語の自由会話2
ミャンマー連邦カレン州パアン市郊外のピャーロン村で録音した自由会話の音声。
4、5人の男女が筆者(加藤昌彦)の家族の写真を見ながらいろんなことを話している。
音声2 東部ポー・カレン語の自由会話3
ミャンマー連邦カレン州パアン市で録音した自由会話の音声。
40代から60代の7、8人の男性が夕刻に酒を飲みながら四方山話をしている。
ビルマ人は仏教の戒律に従ってあまり酒を飲まないが、カレン人は仏教徒でも酒を飲む人が多い。
音声3 東部ポー・カレン語の民話1
東部ポー・カレン語の民話。ある男性が自分の娘を結婚させるにあたり、結婚相手に敬虔な仏教徒を探した。
仏像を彫る職人がいたので、きっと敬虔な仏教徒だと思って結婚させるが、いざ結婚してみると、一向に仏を拝もうとしない。
何日経っても仏を拝もうとしないので、父親はしびれを切らしてその仏師に「なぜ仏を拝まない?」と尋ねた。
すると仏師は「だって、仏はみな私の手から生まれてくるものだからです」と答えた、という内容である。
娘の結婚相手探しに失敗するモチーフの民話は、民族を問わず、この周辺の社会にたくさんある。
音声4 東部ポー・カレン語の民話2
東部ポー・カレン語の昔話。西部ポー・カレンにも同じモチーフの昔話があるため、かなり昔から伝わる話だと思われる。
夫婦が魚を捕りに行き、些細なことから喧嘩になって夫が妻を殺してしまい、妻を川に沈めた。
この夫婦にはまだ幼い娘がいた。娘は、父親だけが帰宅したことを訝しみ、父親に尋ねるが、答えない。
父親はその後、醜い後妻を迎えた。後妻は夫の連れ子である娘につらく当たる。
しばらく経って、娘は母親が亡くなって亀になってしまったことを知る。
亀になった母親は辛い立場に陥った娘を様々な方法で助ける。
長い昔話なので、この録音では「この先は忘れた」と言って話が途中で終わってしまっている。
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